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亥の子餅と炉開き

こんにちは、紬の伊藤です。

今日は立冬です。

雲一つない青空ですが、冷たい風が吹いていて、思わず腕組みををしてしまうような寒さです。

 

 

「最近まで本当に暑い日が続いていたのに、急に寒くなりましたね」

最近お客様とよく交わす会話です。

今週末は、最低気温10度を下回る日もあるとか…急に冬がやってきたような感じがします。

 

しっかり食べて、十分な休息をとり体調を崩さないように気を付けてまいりましょう。

 

 

 

昨日、紬のお客様のN様が皆さんでどうぞと「亥の子餅」持ってきてくださいました。

 

亥の子餅?

私は聞いたことも食べたこともない和菓子で、N様にお伺いすると、もともと無病息災を願って旧暦の亥の月(現在の11月)の最初の亥の日・亥の刻に食べられてきたお菓子とのこと。

 

その歴史は古く平安時代の書物『源氏物語』の「葵」の帖にも記述が残ります。

鎌倉時代にはイノシシが多産であることにあやかって、子孫繁栄を願う意味も含まれるようになったそうです。

 

現代に伝わる亥の子餅は、生地が餅生地だったり求肥だったり、干柿やゴマを混ぜ込んだり、きなこをまぶしたりと味わいは多彩なようです。

N様からいただいた亥の子餅は、白餡を練り込んだお餅で柿と栗が入ったつぶ餡を包んでいます。

餅の甘さとつぶ餡の甘さのバランスが良く、どちらも甘すぎず、紬のみんなで美味しくいただきました。

 

 

N様は学生の時から茶道を習われており、亥の子餅とは馴染みが深いとのこと。

茶道の世界では、11月に行われる「炉開き」という行事があり、5月から10月まで閉じていた「炉」(茶を入れるための湯を沸かす場所)に初めて火を入れる日のことだそうです。

 

「亥」は中国の陰陽五行説で水の性質をもつことから火を防ぐと考えられ、お茶席では亥の日に炉開きをする風習ができたとされるそうです。そのため、この時期のお茶の席では火事にならないように願いを込めて「亥の子餅」を食べる習慣が始まったそう。

 

 

茶道部の長女にも、亥の子餅のこと聞いてみます!